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Atmosphere 04 Spring/Summer 2007 - Nick Knight INTERVIEW

Nick Knightが行っている"100 Portraits"
昨日はStephen Jonesらが登場し、今日はCharles GuislainやHenry Hollandなど。明日はKate Mossが登場するようですね。

それで、ライブ映像をぼんやりと見ていたらAtmosphere 04でのNick Knightのインタビュー記事を思い出したので、折角なのでSHOWstudio立ち上げに関する部分を一部引用してご紹介。

彼がどういった考えを持っているのかを知ることができれば、SHOWstudioのプロジェクトに関してもいろいろと理解がし易くなるのではないかなと思います。
ちなみに、文章中のPeterはPeter Savilleのことです。

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なぜSHOWstudioを作ったんですか?今は当然のようにその存在は理解されていますが、過去にはあなた自身も戸惑うような場面もあったのではないでしょうか?

Nick Knight:
自分の未来は自分で作り出すものです。私はプリントに対して不満がありました。プリントの手法はいつも同じプロセスであるという事、そして、その運営方法は彼らの利益の為であるという事、限られた画像しか許されていなかった事等がその理由です。私は自分自身が撮りたいと思うものを撮って下さいという依頼が無かったので、自分の感情をこれ以上コントロールできないと感じました。
いつも、誰のものでもなく、誰のためでもない、自分自身の作品を創造したいと願っていました。雑誌は現実的に意味を無くしつつありましたし、雑誌を始めようとは思いませんでした。何をしたらいいのか、Peterと私は6ヶ月ごとに送られるビデオというアイデアさえ話していました。そして、ある夏、インターネットがその形を築き始めたのです。あるアメリカの会社が彼らのウェブサイト上でアート企画をやらないかとPeterに話を持ちかけました。Peterは私に一緒にやらないかと聞いてきたんですが、私は「もし私達がそれをやるなら、独自のものをやるべきだ。」と言いました。そうしてSHOWstudioが生まれたのです。Peterは彼独自のSHOWstudioのアイデアを持っていたので、彼の「初心者レベルのアート」というアイデアと合体させたものを当時作り上げました。そのアイデアは、実演や過程を見せるための手段として使えるし、面白いと私は思いました。

動きのある物としてデザインされた洋服を映像で表現して見せることが出来たら、これはファッションの世界にとって絶対に面白い事になるだろうと思いました。「ファッションの映像」はファッション・フォトグラフィーにとっての次のステップであると私は確信していました。

作品作りの過程を見せるというアイデアが私にとってのSHOWstudioの始まりなんです。通常よくある事ですが、出来上がった作品だけを見せて人々にその作品を理解しろという傲慢さが私は嫌いでした。
作品のコンセプト作りから完成までの過程や発展を見せる事はアーティストや、作品を見る人々、さらにはアートそのものにとっても非常に意味のある事だと思います。私自身の作品、そしてその他のアーティストの作品も、皆コミュニケーションの過程だと考えています。そのコミュニケーションを不透明にしてしまっては得る物も得られないと思います。私の場合、通常、他人に私が何をしているかを見てもらっているほうがリラックスできます。どうやって私が作品を作っているのか人に見せる事に対して何の恐れもありません。SHOWstudioはそういう私がやりたかった事が出来る場所なんです。初期の頃はウェブカメラで、そして今は携帯電話のビデオやライブ中継のビデオリンクを使って。このようにして私はパフォーマーのようなやり方で仕事をしています。

ファッションのパフォーマンスを可能にするという事がSHOWstudioを始めた大きな理由です。携帯電話やウェブカメラの技術のおかげでそれを簡単にライブ中継で提供することができるのです。この考えは1987年にYohji Yamamotoとの仕事でNaomi Campbellを撮影している時に見え始めました。

(中略)

インターネットは相互的なメディアです。インターネットはグローバルコミュニケーションの媒体です。私が携帯電話で撮った写真は数秒後にはSHOWstudioのサイトにアップロードされ、サイトを見ている世界中の人々の前に現れるのです。SHOWstudioはアートへの愛情から生まれたものなんです。

私の写真のほとんどは、洋服・音楽・車など誰かの商品を売り込むために作られています。それが私の役割だと知った上でこの業界に足を踏み入れましたし、それに対しては気楽に取り組んでいます。
しかし、私の作品全てが誰かの利益のためだとは感じませんでした。いくつかは純粋にアートとして楽しめるものであるからです。Tilda Swintonのような最高の女優と一緒に仕事をする欲望は利益追求から走らされたものではありません。それは素晴らしい創造力を持つクリエイティブな人間とコラボレーションできる喜びが仕事をする意義になるのです。

posted by PFM