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Christian Dior 10-11AW Haute Couture Collection

John GallianoによるChristian Dior 10-11AW Haute Couture Collection。
パーロット・チューリップなどのフラワーをモチーフとした今回のコレクションは、いつものようにMonsieur Diorへのオマージュとしての展開。Tim BlanksやSuzy Menkes、Cathy HorynのレビューではIrving PennやNick Knightの名前も出されていましたね。個人的には10SSの"Riding Habit"に比べると各Lookのシルエットには多様性があって良かったかなと思います。そして今回、目を惹いたのは「色」ですね。

カラーパレットはいろいろな花の花弁をリファレンスとした、パープル、オレンジ、ピンク、レッド、イエローなどを中心に。これらの配色はChristian Diorではよく目にするのですが、今回はその彩度の高い配色の中で使われていたブラックの強さが印象に残りました。Pat McGrathがルージュの色をディープ・パープルにしてモデルをメイクしていたのも、色の使い方という点では同じかなと思います。つまり、色の強度は相対的に適宜されるということ。
そして、これらと呼応するかのようなStephen Jonesのフラワーラッピング・ヘッドピースの配色は、Lookによって差し色だったり、調和的だったりしていて面白かったですね。セロファンという透過性の高い素材を使うことで、光(色)の反射と透過によってアテンションを齎すというアイデアは、コンセプト的にも今回のコレクションにとてもよく合っていると感じました。色は光で、光は色であるということを再認識させられたような気もしましたし。
ちなみにセロファンに包まれていたモデルの特徴的なヘアスタイルはOrlando Pitaによるもので、モチーフは「咲こうとしている花の蕾」とのこと。コレクションのテーマがそれぞれのアーティストによって表現され、それらが組み合わさって一つの作品を構成しているというのが素晴らしいですね。

紫陽花のようなジャケットに、チューリップのようなスカート。Bar Jacketのウエストにはベルトではなくリボンを。ランウェイ終盤のチュールのボリュームを活かしたドレスは立体的でクチュール感がとても出ていたと思います。

via style.com nytimes.com telegraph.co.uk fashionwiredaily.com runway.blogs.nytimes.com vogue.co.uk vogue.com.au tFS

posted by PFM