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Christian Dior 11SS Haute Couture Collection

John GallianoによるChristian Dior 11SS Haute Couture Collection。
インスピレーションソースは1940年代から50年代に掛けて活躍し、Christian Diorのアートワークも手掛けたファッション・イラストレーター、Rene Gruau。

コレクションはレッドやマゼンダをポイントとしたシックなカラーパレットを用い、Rene Gruauのイラストレーションのタッチを各Lookに巧みに反映。ブラシのストロークによる「かすれ」や「入り・抜き」、水彩画のようなカラーの濃淡といった要素を上手く組み込んでいましたね。色の明暗(濃淡)に関しては、フォトグラファーのIrving Pennの影響についてもSuzy MenkesやTim Blanksはレビューで指摘しているところです。

ファブリックはクチュールらしく、立体的で彫刻のように。チュールやシルクは多層化し、ボリューミーに。ブランドのサインであるペプラム・ジャケット、アワーグラスを強調する存在感のあるベルト、ペンシルやサンレイ・プリーツのスカート、フロア・レングスのツイストされたドレス、Stephen Jonesによるヘッド・ドレスは縦方向に立ち上がっているのが印象的でしたね。

Christian Diorのクチュールコレクションのテーマやインスピレーションソースは、メゾンの歴史に関連性のあるものだけがピックアップされ続けている感があって、あまり大きな変化が無いかなと思います。クリエイションとして大きな冒険をしないのでハズレもないのですが、面白さという点で言えば少し弱いかなと思ったり。オートクチュールの顧客視点で言えば、ビジネス的にはこれが正解なのかもしれませんけれど・・ね。

via style.com vogue.com fashion.telegraph.co.uk nytimes.com fashionwiredaily.com tFS

posted by PFM