This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Balmain 11-12AW Collection

Christophe Decarninがメンタル面の問題によって不在となり、Balmainの新しいスタイリストに就いたMelanie Wardとデザインチームによって仕上げられたBalmain 11-12AW Collection。ギリギリのラインでクリエイションを続けていくと精神を病むのはよくあることなので少し休むと良いかなと思います。今に始まったことではないと思うので、完治と言うよりも寛解を目指すことになると思いますが。
彼は自己の存在証明と生きているという実感をクリエイションによって得ているタイプの人間なのかな、となんとなく感じます。こう言うとあれですが、ダークな面を持った人間の方が偏執的な面白いものをつくるのは事実ですね。Lee Alexander McQUEENもそんな感じでしたが、往々にしてそういう作り手は身を削るのでサステナブルではないのですけれど・・。

そういった状況下において提示されたコレクションは今までの方向性を踏襲しつつも変化がありました。メタリックでシャイニーなジャケットにスキニーパンツ、シンプルなシルクTシャツにジオメトリックなラインストーン・チュニック、ルレックス・スカーフにピークドラペル・ブレザーなど。それらに加えて今回はジャンプスーツやゴートファーを用いたLookが登場。Melanie Wardによるとジャンプスーツはワークウェアからインスパイアされたようです。
Sam McKnightによる低い位置で結ばれたポニーテールはKate MossとDaria Werbowyの写真からインスピレーションを受けたもので、"looking their natural, gorgeous, rock 'n roll, sexy selves."とのこと。クロージングと対を成すトランスパレントでナチュラルなメイクアップはTom Pecheuxによるもの。

Suzy Menkesがレビューで書いているように、Balmainには常に同じアジェンダが設定されていますね。それは、ベーシックな性質を伴ったベーシックな服を、素晴らしい技量を用い、カッティングとマテリアルのクオリティ、そして、装飾によってより高いレベルにそれを押し上げる、ということ。今回もそれに忠実であったことは論を待たないでしょう。

Christophe DecarninかMelanie Wardの影響かは不明ですが、切れ味はそこまで鋭くなく、どちらかと言えば新しさを探して?少しロストしている雰囲気もコレクションにはあったかなと思います。クリエイションの持続可能性と革新性を両立させることは容易ではないことを改めて感じさせるコレクションでしたね。

via style.com wwd.com vogue.com vogue.co.uk telegraph.co.uk showstudio.com tFS

posted by PFM