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Chanel 11-12AW Haute Couture Collection

Karl LagerfeldによるChanel 11-12AW Haute Couture Collection。
22時という遅い時間帯にセットされたランウェイショーは、1920年代にCoco Chanelと関係を持っていたストラヴィンスキーのコードをSBTRKTの楽曲にミックスしたMichel GaubertによるトラックをBGMとし、Grand Palaisにネオンで描いたヴァンドーム広場を出現させての開催。オベリスクに祀られたCoco Chanelが象徴するように、"Les Allures de Chanel"と名付けられた今回のコレクションはChanelの魅力を賛美したもの。

11-12AWのプレタポルテ・コレクションと同様にダークトーンの空気を含みつつ、ブロードショルダーのツイードジャケットやペプラムジャケット、それと対にされたタイトスカートなどによってマスキュリン且つフェミニンなシルエットを描きながらショーは進行。カラーパレットはブラック、グレー、ネイビーに、Karl Lagerfeldがベゴニア・ピンクと呼んだパープリッシュ・ピンクがいくつかのLookで使われていました。

雨上がりのウェッティなアスファルトに反射するネオンと月光、スターライトのようなスパンコールとルレックスのオーバーブライトな煌き、アイウェアとしてのミステリアスな雰囲気のレースのベール、ネイルを飾るブラックのマニキュア、それと呼応するかのようなロングレースのフィンガーレス・グローブとシースルーのニーハイブーツ、オーストリッチ・フェザーによって装飾されていたカンカン帽はすべてのLookで用いられていましたね。

ランウェイ中盤から後半のイヴニングパートにおいては、テーラリングが徐々に融解し、ドレスにモーフィング。強調されたショルダーとドレスのしなやかさのバランスは面白く、テーラリングのクラシックな響きがマスキュリニティとして機能していました。カールの"I like the idea of metamorphosis - a female evolution from boyish to woman."という発言があったように男性性と女性性をテーラリングとドレスによって表現し、ミックスしていた印象ですね。

クチュールなので全体的にRTWなどよりも描く女性像の年齢が高く、クラシカルなツイード素材は描くシルエットとも相俟って重量感を感じさせていたかなと思います。シルエットにフォーカスしたコレクションでしたが、もう少し服自体は軽さがあっても良かったでしょうか。全体的に華美な雰囲気はかなり抑えられていたので、クチュールではなく、RTWっぽい感じはありましたね。
フィナーレでのフラッシュライト・シューズは少しファニーでシュールな演出。モデルのキャスティングに関しては、Taoが歩いていたのが目を惹きましたね。

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posted by PFM