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Marc Jacobs 12SS Collection

南部地方のダンスホールの雰囲気が欲しかったというMarc Jacobsの発言があったように、キャバレーのようにゴールドのカーテンウォールが開くという演出でスタートしたMarc Jacobs 12SS Collection。今回はハリケーンの影響でスケジュールの変更もあり、New York Fashion Weekのクローザーを務める形になりましたね。

プラスチック・スパンコールにフィルムやポリエステルといった透明度と光沢のあるマテリアルを多用し、パターンにはギンガムチェックをフィーチャー。フリンジ付きのフラッパードレスにスウェットシャツ、シャンブレースーツにスプリングコート、カシミアセーターにアンクルがトランスパレンシーになっているカウボーイブーツなど。手に持ったバッグやソックス、ヘッドバンドも各Lookに上手く組み合わせられていた印象がありましたね。カーディガン・ジャケットはVogue.comでHamish Bowlesが書いているようにChanelフレーバーがあり、全体的にはtFSなどでも書かれているようにPradaの影響があった感じ。レトロなシルエットを合成繊維で現代化し、20年代をその多くのリファレンスとしつつも、他の年代ともミックスしていた印象です。

フレッシュで若さのあるコレクションはスマートにクセも無くまとめられていますが、逆にそれは作家性が不足しているとも言えますね。何か一つのアイデアにフォーカスしてそれを反復し、先鋭化させ、純化するという試みによって構築された確固たる美意識と世界観を持つというステレオタイプで古典的なデザイナーではなく、移り気で飛び道具を多く使うヒップなデザイナーとしてのMarc Jacobs。Diorの後任デザイナーとしての交渉は続いているようですが、こちらの行方も気になるところです。

via style.com wwd.com vogue.co.uk runway.blogs.nytimes.com fashionwiredaily.com

posted by PFM