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Prada 12SS Collection

ガレージや駐車場のような雰囲気のショー・スペースをランウェイとして披露されたMiuccia PradaによるPrada 12SS Collection。ピンクのペンキによって汚された床やオーディエンスシートの抽象的な車など、ショーステージはいつものようにRem KoolhaasのOMAによるものですね。

今回のコレクションの主要な概念は、イタリア語で「女性と車(のエンジン)」を意味する"Donna e Motori"とミウッチャの"I wanted to make sweet acceptable, for sweet is a very bad word in fashion,"という発言があったように、ファッションにおけるタブーとしての"sweetness"への言及。それらを50年代のノスタルジアの空気に乗せて描いたといった感じですね。コレクションにはいつものように、彼女のユーモアと気まぐれな感受性が満ちていたかなと思います。

FWDで書かれているように、ミウッチャ自身をミューズにしたかのようなモデルたち。薔薇とクリスタルのイヤリングを付けて、僅かにワックスの塗られたヘアスタイルはGuido PalauによるレトロなPrada girl。ベビーブルーにピンクやイエローをカラーパレットに、古き良き時代のウォールペーパー・フラワープリント。ラウンドショルダーのコートにカートゥニッシュなカーイラスト。アコーディオンプリーツのスカートにチューブトップ。シューズにもファイヤーパターンをあしらって、ラインストーンによるデコレートは服だけでなくバッグにも。ドレスのLookを排除した今回のコレクションは、リアルを意識してアクセシブルにするという意図があったようです。

ある時代におけるフェミニティの定義と幸せのモデルケース。その象徴として描かれる女性とメタファーとしての車。社会において女性はスウィートでなければならないのか?それともそれは選択であるのか?という問いと今日的な意味合いでのフェミニティとは?という命題に対する考え。
社会と服と人との関係性の上には意味が存在し、そのコードをアイロニカルに組み替えて鮮やかに女性の本質を描くことを試みるという方法論は彼女ならではですね。

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posted by PFM