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Jil Sander 12SS Collection

過去2シーズン続いていたトラディッショナルなクチュールコードへの言及、そのクチュール三部作の最終章として提示されたRaf SimonsによるJil Sander 12SS Collection。モダンな雰囲気のランウェイはJacques Tatiのコメディ、"Mon Oncle"からの引用だったようですね。
コレクションのインスピレーションソースは、ブランドのヘリテージへのセンシティビティー。それに加えて、ビューティーパーラーやスパなどにおいて女性が女性を美しくするという行為についての考え(女性が他の女性に何を与え、何を他の女性から得るのかについて)とその社会的関係性。そして最後は、マリアージュ。

ミニマリズムにモダニズムとクチュールの概念を組み合わせ、50年代の空気感に包まれたランウェイショーはフルホワイトのLookからスタート。グリーンやブラック、ブルーにピンクなどのカラーを含ませながらショーは進行し、パターンにはペイズリーやギンガムチェックが登場。ニットにはモダニズムの象徴として、Pablo Picassoの陶芸からのイラストレーションが描かれていましたね。Stephen Jonesによるベールをかけたビーニーは、抑制の効いた女性像にエレガントさをプラス。Erickson Beamonとのコラボレーションによるブローチとイヤリングは、控えめながらも静かに美しく女性を飾る雰囲気が良かったかなと思います。ランウェイショーの最後に登場したホワイトシャツの(ウエディング)ドレスは、今回のコレクションのテーマが凝縮されていましたね。

ソフィスティケートされたシンプルさを伴ってモダンで知的に描かれる女性像。Jil Sanderの服とは、その知性を纏うということと言っても過言ではないでしょう。ブランドのヘリテージを巧みに操り、完成度の高いコレクションを毎回提示できるRaf Simonsの手腕は素晴らしいの一言ですね。

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posted by PFM