This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Yohji Yamamoto 12SS Collection

フランス文化省からLegion d'Honneurを授与された山本耀司によるYohji Yamamoto 12SS Collection。
カラーパレットはYohjiらしく白と黒を中心に用い、今回はモデルのルージュにも引いた差し色としての藤色が目を惹きましたね。紺から青、そして、紫まで広がりがありましたが、この色の使い方が見ていてとても気持ちの良いコレクションだったと思います。

誇張された螺旋を描くビッグサイズのハットに引き摺るほど長いトレイン。前身頃がカットされ、ラペルと袖のみになった燕尾ジャケットにプリーツシャツ。ピーカブー・スリーブのようにショルダー部分がカットされたシャツは、シンプルながらもそこに変化を与えていて良い空気感を出していましたね。ダーンドルやアンダーなどのスカートはギャザーやプリーツをフェミニティとして機能させていたのが印象的。マニッシュな雰囲気の中にそういった要素が対置されると、そのコントラストによって相乗的に美しさを増すことができますね。
最後に登場した花嫁がフラットなスニーカーを履いていましたが、描かれる女性像から類推すればあの選択以外には考えられないといった感じでしょうか。

30年ものキャリアを積み重ねてきた山本耀司によるコレクションはそのすべてがYohji Yamamotoのコレクションとして完璧であり、その世界観が確立され過ぎていることが逆説的に言えば問題点と言えるかなと思います。不確実性や不確定性はクリエイションに変化を与えるために必要な要素なので、そういったものがもっと内包されたコレクションが個人的には見てみたいですね。

via style.com wwd.com nytimes.com showstudio.com tFS

posted by PFM