Balenciaga 12-13AW Collection
架空の会社"Balenciaga Inc."のオフィスをイメージし、ビジネス・ドレッシングで遊ぶことをテーマとして展開されたNicolas GhesquiereによるBalenciaga 2012-13年秋冬コレクション。
80年代の影響をフューチャリズムに転化して描かれるクラブ帰りのオフィス・ガール。オーバーサイズシルエットにアニマルプリントの特定のリズムをクリエイションの起点とし、マテリアルやカラーの切り替えしにコラージュを多用して、それらをパリジャンシックの空気感と結合する。
肩が落ちるサイズ感のコートやスウェットシャツにニットウェア、キッチュなムービーポスターやアーケード・グラフィックスのプリントにレトロなリブギャザー、ショルダーパッドによって強調される構築的なクロップドジャケットにハイウエストなシルク・ジャンプスーツ、靴はエルフシューズのようなブーティにシューレース・ヒール。
ブランドの遺産としてのソリッド・ジオメトリーなシルエット。Cristobal Balenciagaがファッションを宗教的次元まで高めたその立体性に実験的なファブリック・ミクスチャーを用いてNicolas Ghesquiereは意図的に混乱や曖昧さを持ち込む。過去と現在が出会う場所がここにはありますね。
tFSではBouchra Jarrar, Sebastien Peigne, Alistair Carrといった優秀なアシスタントが抜けた影響を指摘するコメントがあったり、Cathy HorynがBalenciagaにしては月並みだったと評していましたがどうでしたでしょうか。安易な分かり易い美しさではなく、安全地帯ではない場所でリスクをとる姿勢が個人的には好きなのですけれどね。