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Raf Simons 13SS Collection

Christian Diorのデザイナーへの就任が自身のクリエイションのルーツについて考えさせるきっかけになったという、Raf Simons 2013年春夏コレクション。ストリートにおけるユースーカルチャーやミュージックシーンのカウンターカルチャーをインスピレーションソースに若者を描くコレクションから始まったRaf Simonsのクリエイションは、この17年の間に紆余曲折を経て成長を遂げることになる。

スナップボタンを用いたテーラリングにスリットの入ったショーツ、Raf Simonsが作品を収集していたというロサンゼルスをベースに活動するBrian Calvinのアートワークをフィーチャーしたカットソーやスモックトップ、90年代を想起させるレトロフューチャーなスニーカーなど、自身のルーツとなる初期のモチーフにJil Sanderでの経験から得られたミニマリズムとモダンアート・エレメント、そして、Christian Diorへと繋がるクチュールへの言及によるフェミニティの表現がメンズウェアの上で融和。
プリーツやフラワープリントといったミニドレスの要素を後身頃に備えたコートはラフがインタビューで答えているように川久保玲のComme des Garconsのようでもありましたが、二人のクリエイションは思案プロセスがそもそも違うかなと思います。Raf Simonsはミニマリズムを通してクチュールへと到達し、それをメンズウェアに連結しましたが、あくまでもマスキュリニティとフェミニティを一つの服の中でバランスさせようとしているように見えます。

新しい何かを発見するために2つの異なる側面を使いたかったというコレクションは、ミニマリズムとモダンアート、青年の青春期の中性的なセクシャリティとオートクチュールを起源とするクラシカル・フェミニティなど、Raf Simons自身の過去と現在を融合して未来を描くことに注力したコレクションでしたね。

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posted by PFM