This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Christian Dior 13SS Collection

7月のクチュールコレクションに続いて、初のプレタポルテコレクションを披露したRaf SimonsによるChristian Dior 2013年春夏コレクション。オートクチュールでは花を壁に敷き詰めたサロンでの開催でしたが、今回は優しく漂うカーテンをランウェイにセットしての開催でしたね。

スモーキング・バージャケットのパンツスーツにモダンなスカーフを巻いたLookからスタートしたランウェイショーは、そのまま洗練されたアトリエのテーラリング・ワークを元にAやHのラインを描くプリーツなどをあしらったジャケットドレスを中心に静かに展開されていく。
太陽の光を受けて反射する水面のようなテクスチャーのミニドレスにブラックとピンクのストライプドレス、オーガンザのトランスパレンシーな柔らかさを表現するプレーンなドレスにシルクスクリーン・アートのようなヴィヴィッドなカラーを用いた長いテールを持つベアトップなど。イヴニングでは、メタリック・オーガンザとローズプリントによるボールガウンが登場していましたね。プレーンなトップスを合わせていたのがRaf Simonsらしかったかなと思います。

今回のコレクションはミニマリズムの再考として提示されたもので、ミニマリズムはセンシュアルでセクシャル、楽しく自由で有り得ることを表現したかったようですね。自身のことを90年代キッズであると自称するラフですが、フィナーレでは1996年のHelmut Langによるデニムジャケットを着て挨拶に登場していたのが印象的。彼なりにミニマリズムに敬意を表していた感じですね。

John Gallianoが女性の憧れを徹頭徹尾に描くデザイナーだったとするならば、Raf Simonsはもう少しリアリティのある女性が恋をすることができるような服を描くことに注力していくことになるのでしょうかね。実際に手に取って恋をし、着て愛せるような。憧れと恋は似ているようで異なった感情ですし、ミニマリズムはそういう方向性と相性が良いかなと何となく思います。これからの数シーズンは移行期なので、現時点ではまだ何とも言えませんけれどね。

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posted by PFM