This is Not here - *//LIKE TEARS IN RAIN

Dior homme 12-13AW Trunk Show and Jacket making demonstration by craftsman from Dior's atelier.

昨日、表参道でDior hommeの12-13AWのトランクショーとパリのアトリエから職人を招いてジャケットの制作工程に関するデモンストレーションを行うイベントがあったので、少し書いておきましょうか。たまにあるこういうDiorのイベントはDiorのことをもっと好きにさせてくれるので、いつも行くのが楽しいですね。

トランクショーはB1Fのオムのフロアをモデルがウォーキングする形で行われましたが、あの狭いフロアを本職のモデルが縦横無尽にウォーキングしていたのは迫力がありましたね。モデルは4人ほど登場していましたが、その内の3人は実際にパリのショーで歩いていたモデルとのこと。自分の見間違いでなければ、モデルの一人はEthan Jamesだったと思います。

そして、4Fではパリのアトリエより職人を招いてジャケットの制作工程についてのデモンストレーションを行うイベントが開催。職人の方は10代半ばからこの道一筋で、Dior hommeに関しては2000年の立ち上げ時から参加しているとのこと。

ジャケットのボタンはすべて水牛の角からできているという話やハ刺しによるラペルの反りといった話題など、普段着ていてもあまり気が付かない部分を分かり易く説明してくれたのはとても面白かったですね。Kris Van Asscheのプレーンなデザインとは裏腹にジャケットの内部構造は複雑につくられているというのも、そのコントラストが興味深いところ。ジャケットに袖を通したときの心地良さは、職人たちの技術によって実現された彼らからの「贈り物」であると改めて思った次第です。

コレクションで発表される服というのはある見方をすれば「ただの奇抜な服」でしかありませんが、それらは伝統ある熟練の職人たちの手による確かな技術によって生み出されているというのはもっと多くの人に知られるべきことかなと思います。デザイナーのスケッチに輪郭を与え、そのクリエイティビティと対話をしながら現実世界のものとしてカタチに落とし込んでいく人たちの存在のことを。
モダンなデザインがトラディッショナルな技術によって支えられているという、伝統とモダニティの共存がそこにはありますね。


posted by PFM