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Chanel 13-14AW Collection

世界各地のブティックのある場所に旗を立てた巨大な地球儀をGrand Palaisにセットして行われたKarl LagerfeldによるChanel 2013-14年秋冬コレクション。ブティックの数はインショップ等も含めて300とのことですが、それに関してカールは、「私はとても幸せなままでいられます。私がChanelでスタートを切った30年前は、ブティックは3つか4つしかありませんでした。」と話していましたね。そして、世界地図の左下(アフリカ大陸)辺りにまだスペースがあるよね、と言っていたのも彼らしい感じです。

"The spirit of the show was Chanel's globalization,"というカールの説明があったようにコレクションのテーマは、グローバリゼーション。
シルバー・チェーンで飾られたサイハイブーツに、太腿を露にするためにカットされた膝下丈のツイードコート。コートの下から僅かに顔を出すプリーツスカートに、袖口や裾を折り返してバイカラー・アクセントが付けられたメタルボタンコート。ショルダーの曲線が立体的なスタンドカラーのボックス・シルエットコートに、1Lookだけ登場したフラワーパッチのデニムパンツ。グラフィックパターンがあしらわれたセータードレスに、ネックレスが編まれたクリーム色のパッチポケット付きチャンキーニット。サイクロイドパターンのジップブルゾンに、モノクローム・フラワー刺繍が爆発したデコラクティブな結晶ドレス。
そして、ショーの後半に登場したパフ・スリーブとフレアスカートによるプレーンなLBDに、透け感のある素材使いが美しいシースルードレスでフィナーレを迎える。

ブレスレッドはチェーンを用いたものと職人のハンドワークによって糸で編まれたものがありましたね。目を惹いたミンクのハットは個人的には少し蛇足で、コレクションが全体的にノーマルだったので強度を上げるために取り入れた感じがしたかなと思います。

グローバリゼーションというテーマと服自体の関連性は低く、"all about fabrics,"というもう一つのカールの説明の方がコレクション全体を表現していましたね。11-12AWからの秋冬コレクションは基本的に同じような方向性で推移しており、大胆なシルエットとダーク系のツイードを用いたLookはどうしても重さを感じさせます。クラシカルと言えばクラシカルではありますが。憂鬱なコレクションでは無いとカールが話していたように憂鬱さはありませんでしたけれど、ね。

Chanelのデザイナーに就任してから今年で30周年を迎え、自身も80歳を迎えるKarl Lagerfeld。デザイナーとして和了ってしまう訳でも無く、リアルとファンタジーのフロントラインであくまでも女性のために服をクリエイトし続ける姿勢は創り手として敬仰する以外の何物でもありませんね。

via style.com wwd.com vogue.com runway.blogs.nytimes.com nytimes.com washingtonpost.com tFS

posted by PFM