Nicolas Ghesquiere speaks his abrupt departure from Balenciaga.
BoFにSystem magazineによるNicolas Ghesquiereのインタビューの抜粋がアップされていますが、やはり彼がBalenciagaを離れた理由は経営陣との意見の相違にあったようですね。Nicolas Ghesquiereのクリエイションやアイデンティティを尊重も理解せず、売れるか売れないかのビジネス的視点のみで物事を判断していくビジネスライクな経営手法に嫌気が差したという感じでしょうか。作品制作の技術や研究云々よりも売買可能な服であるかどうかにしか興味が無い経営層は、ファッションを愛していると言いつつも、最も純粋にセンスが求められるファッションをヨーグルトや家具の一種を製造するのと同じようにしか認識していないため、現在、Balenciagaのプロダクトは複製可能で均質なモノに変わりつつある、と。
そして、そういった状況に陥らないためには自分の周囲にファッションというものを適切に理解し、ラグジュアリーという領域を敬慕する然るべき人たちが居てくれる必要があるとのこと。ファッションに対するヴィジョンを自分自身が持つ必要性があるけれども、それを推進させるのを手助けしてくれる(Miuccia PradaにおけるPatrizio Bertelliのような)パートナーやデュオが居なければならない、と話していますね。インタビューからは彼がBalenciagaでとても孤独を感じていたのが伝わってきます。
多くの人がBalenciagaとNicolas Ghesquiereの関係性は磐石でこのまま半ば永久的に続いていくものだと思っていた中での辞任でしたが、これはBalenciagaからの解雇ではなく、彼自身の選択としての離別であったのでもちろんリスクもありますが、Balenciagaから自分の名前を解放するという意味でポジティブに捉えているようです。
次の章に備えてファッション業界で起きていることに注視しているという彼ですが、シグネチャに関する言及もありつつ、今後、彼がどういった選択をしたとしても刺激的で多くの可能性が開いているというのは正にその通りと言えるでしょうね。