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Interview Magazine May 2013: Yohji Yamamoto by Wim Wenders

Interview MagazineのサイトにWim Wendersによる山本耀司のインタビューがアップされていますね。
Y-3に関する話題の件が個人的に面白かったので少し書いておきますが、adidasとのコラボレーション・プロジェクトであるY-3の端緒となったのは彼が2000-01年秋冬コレクションのためにadidasの「スリー・ストライプス」をあしらったトレーナーをadidasから借りようとしたことにあったようですね。なぜスリー・ストライプスに彼が興味を持っていたのかと言えば、日本においてadidasのスリー・ストライプスは街の至る所で見掛けるものであり、若者たちは寝る時さえもそれを脱がなかったからとのこと。そして、彼がadidasに電話をしたところ、彼の予想(彼はadidas側が拒否をするだろうと思っていた。)とは裏腹にadidas側がYesと回答したことが事の始まりだったようです。

Y-3の"Y"はYohji Yamamotoを、"3"はadidasのスリー・ストライプスを意味し、間にある"-"は両者の結びつきを表現している訳ですが、上記の話によればY-3はエピソードがそのままブランド名になったような感じなのですね。
そして、スポーツ(ウェア)の世界とそのテクノロジーは、実用性と機能性を追求し、無駄をそぎ落としていくが、いわゆるファッションの世界はそれとは正反対のものである、と2つの世界の違いを彼は的確に説明していますね。

また、彼の長年のキャリアに関する質問のところで、"I feel like I'm doing the same thing every year."と答えているのが興味深いところ。自分の型ができてしまった後は、それの焼き直しやバリエーションでつくり続けることになるのは多くの創り手に言えることですが、それを自覚し、インタビューで素直に話せるというのは結構すごいなと思いましたね。

posted by PFM