Dior homme 14SS Collection
Tennis Club de Parisに鏡の迷宮をセットし、サウンドトラックにはPet Shop Boysの"Paninaro"と"Domino Dancing"を用いて行われたKris Van AsscheによるDior homme 2014年春夏コレクション。インヴィテーションには16世紀の詩人であるThomas Campionの"The sun must have his shade."という言葉とドミノが描かれていたようですね。
クリスによれば今回のコレクションで表現したかったものは、"the incongruity of tuxedos on the beach."とのこと。
いつものようにテーラリングにフォーカスしたコレクションは、マイアミの暑いビーチの影響を受け、スポーティー・エレメントによってフォーマルをインフォーマルに変化させて進行していく。シックなボルドーに爽やかなウルトラマリンブルー、そして、スモーキー・グレーとブラックを点在させた色彩設計。鋭くクロップドされたスクウェアなボクシー・シルエットをベースに、ノースリーブ・ジャケットやハーフスリーブ・シャツにショート丈のパンツを組み合わせ、そこにPiet MondrianやWassily Kandinskyを思わせる幾何学パターンのサテン・パッチワークをグラフィカル・エフェクトとしてアドインする。
"Lots of choice within one idea,"とクリスが説明するように、コレクションは均質なドミノのような連続性を帯びた感じがありましたね。「コレクションの全てを通して、あなたはパンツとジャケットを入れ替えることができます。いくつかはボックス・シルエットであり、いくつかはフィット・シルエットで、いくつかは袖があり、一部はそうではありません。(今回のコレクションでの)挑戦は、多くのバリエーションを齎すことにありました。」とのこと。パッチワークについては、マイアミに建ち並ぶビルのようだとクリスは話していましたね。
「メンズウェアが遊び心や軽さを必死に求めているのを感じていました。ただし、もし何かがライトだとしてもその意図はシリアスさが無いということを意味するのではありません。」という彼の考えは、Christian Diorのメンズウェア部門のデザイナーとして重要かなと思います。遊び心があるLookにも歴史ある厳格なコードの残響があることがChristian Diorというメゾンには重要ですね。
Front Rowでいつものようにショーを見ていたKarl Lagerfeldは、ボルドーやスモーキー・グレーのLookを指して"very elegant"と評したようです。実際にブティックでDior hommeのアイテムをチェックしているとよく感じますが、色の発色や素材の光沢というのは個人的に実際に購入に至る重要な要素ですね。
気持ちの良いパーフェクトなスポーティー・テーラリングにグラフィック・アートを取り入れたコレクションは、目を見張るクリエイションではありませんでしたが、地に足をつけてリアルに楽しめる小気味良いコレクションだったかなと思います。
via dior.com style.com wwd.com nytimes.com showstudio.com tFS