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Christian Dior 13-14AW Haute Couture Collection

Patrick Demarchelier, Terry Richardson, Paolo Roversi, Willy Vanderperreの4人のフォトグラファーが撮った写真をスクリーンに映しながら行われたRaf SimonsによるChristian Dior 2013-14年秋冬オートクチュールコレクション。Michel Gaubertによるサウンドトラックには、Kanye Westの"Yeezus"の楽曲が使われたようですね。

各Lookを再解釈するために招集されたフォトグラファーが4人であったように今回のコレクションは、ヨーロッパ、アフリカ、アジア、アメリカの4つの大陸をイメージし、それらの要素をミックスしての展開。ヨーロッパからはパリジェンヌ、アフリカはトライバルなマサイのイメージ、アジアは日本の着物や足袋を、アメリカからはスポーティーな要素を引いたようです。
ジャングル・プリントにぺプラム・シルエット、日本の「絞り」を用いたストラップレス・ドレス、クラシカルな千鳥格子やウェールズチェックには刺繍やスパンコールを重ねて、羽織や着物のような前合わせのドレスにトライバル・ストライプのシースルー・ドレス、ボリュームのあるブラックのプリーツドレスに、脱ぎかけのコートをセットアップに合わせたLookはラフらしいストライピングが目を惹いていましたね。

今までのコレクションからトーンが変わり、少し暗いカラーパレットでの進行となったことでフレッシュな感じが無くなったかなと思います。クチュールの顧客層を意識しての変化なのかもしれませんが、どうでしょうか。とは言え、ディティールを見ると分かりますが、アトリエの技量は相変わらず素晴らしいの一言ではありますけれど。

tFS等で指摘されているように多くの要素を詰め込みすぎて、消化不良になっている感じがコレクションには確かにありましたね。Suzy Menkesも今回のコレクションは野心的で芸術的ではあったが、適切に機能しているとは言えなかったとレビューしつつ、ただ、ラフがディオールのパリジャン・ヘリテージを超えて何かを求めることは正しい、と書いています。先月、他界したJean-Louis ScherrerとNina RicciのGerard Pipartを引いて、オールドスタイルのクチュリエは文字通り死につつあるので、ディオールは、その名高い歴史を振り返るだけでなく、また、未来を受け入れるデザイナーを必要とします、という指摘は正にその通りと言えるでしょうか。

via dior.com dior.com style.com wwd.com vogue.com runway.blogs.nytimes.com showstudio.com tFS

posted by PFM