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Chanel 13-14AW Haute Couture Collection

Grand Palaisに廃墟となった劇場を出現させて行われたKarl LagerfeldによるChanel 2013-14年秋冬オートクチュールコレクション。コレクションのテーマは、"the old and new world"。瓦礫の積まれたスクリーンの向こう側には素晴らしき新世界のイメージが描かれていましたね。カールの説明によると、"On the way from the Old World to the New World,"とのこと。

コレクションのデイウェアは、刺繍によって編まれたツイード・ジャケットとスカートのセットアップに存在感のあるベルトを合わせ、スエード・アンダースカートと太腿丈のストッキング・シューズ(ガーターが付いているようで、カールによるとブーツでは無いとのこと。)でボトムをシンプルにまとめたLookを中心に展開していましたね。クチュールらしくスパンコールを贅沢に用いたインナーやスカート等、プレーンなLookながらも魅せるところでは魅せている感じだったでしょうか。ただし、Cathy Horynが指摘するように少し反復的なLookが多かったという印象は確かにあったかなと思います。また、新しさを出すために新奇なテクスチャーに頼り過ぎているというのも頷けますね。この辺はバランスの問題と言えるでしょうか。

ドレスパートでは、繊細なチュールやオーガンザのトランスルーセントなレイヤリングに、ルレックスといったメタリック・フィラメントの使用など、アトリエのディティーリング・ワークが光っていましたね。いずれのLookもテクニックとマンパワーの集積のような言葉では簡単に表現できないユニークなドレスとなっていましたが、テーマがテーマだけに統一感やストーリー性があまり感じられなかったのが少し勿体無かったかなと思います。単体で見るとどれもハイクオリティで美しいのですが、Chanelのようなトップメゾンのランウェイショーは、ただ美しいだけではダメで、そこにプラスアルファの何かが必要と言えるのが難しいところです。

スパンコールやルレックスといったコレクションの煌きをカールは"the sparkle of stardust"と呼んだようですが、コレクションに登場する服たちは、さながら「夢見る世界の夜空に輝く星たち」といった感じなのでしょうね。とすれば、ランウェイショーとは、澄んだ夜空を見上げて星を眺めるようなものとも言えるでしょうか。

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posted by PFM