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Chanel 14SS Collection

Grand Palaisをアート・ギャラリーに変えて行われたKarl LagerfeldによるChanel 2014年春夏コレクション。会場にセットされたカメリアやパール、No.5 ボトルといったChanelのアイコンをモチーフとした75のアートピースは、もちろんカールによるもの。Michel Gaubertによるサウンドトラックは、テーマに合わせてJay-Zの"Picasso Baby"だったようですね。
「アート」をテーマに据えた今回のコレクションに関してカールによれば、「人生はレッドカーペットではありません。これは、デイリー・ライフのためのものです。私はカラーとフレッシュさが欲しかったです。それはとてもハッピーなムードです。」とのこと。

カラーパレットはモノトーンを中心にし、そこにピンク等を用いる形でショーはスタート。ツイードジャケットのセットアップのように見える軽快なノースリーブ・ワンピースは、スカートの裾の両サイドにジッパー・スリットを入れ、ウォーキング時に運動(流動性)を伴うようにデザインされる。モデルが手をやるポケットの位置はLookによって巧みに操作されており、腰に手を当てるポージングやチェーン・ショルダーバッグのチェーンに手をやる等、(ラガーフェルドがフィナーレでジャケットを掴んで歩くように)仕草まで含めてLookは完成する。

ツイードにレザーやレースといった異素材切り替えしによるデコンストラクション、パイピングのようにアクセントを与えるブレード、アシンメトリーを描くワンショルダーのドレスやニット、トロンプルイユのようなオーバーサイズ・デニムジャケットに前身頃と後身頃が前後逆になったようなリバーシブル・ウェア、チュールの細片を縫い合わせて貼り絵のようにコラージュしたジャケットなど、アートの技法をファッションへと言語変換しているLookが目を惹きましたね。Chanelらしく水夫のSailor Collarのように肩掛けセーターを用いていたのも新鮮だったかなと。巨大な真珠をモチーフにしたヘッドフォン・チョーカーネックレスにサンバイザー・サングラス、そして、ソックス・シューズといったアイテムも遊び心があり、ショーはとてもポジティブなエネルギーに満ちていましたね。

ショーの終盤ではカラフルなブラシ・ペインティングをフィーチャーしたペインタリーなLookが登場。筆致が描くグラデーショントーンの階層性にフォーカスし、プリーツを多用することで服としても階層性を表現していたのは面白いアイデアだったと思います。

Sam McKnightによる外に広がったヘアスタイルは、「70年代のフリック・ヘアーとスターウォーズのダースベイダーの中間」とのこと。全身黒で少しエキセントリックな服を着た芸術家の女性をイメージしてのヘアスタイルだったようです。
Peter Philipsによる目にインパクトを置いたメイクアップは、ペイントカンパニーのサンプルカードっぽい感じになったとのこと。左右の目がわずかにアシンメトリーになるように計算してメイクがされたようです。

カールの説明の通り、全体的にかなりミニマルでウェアラブルなコレクションでしたね。シルエットもほどよくタイト/コンパクトで、フォルムよりもファブリックの素材使い等に重心が置かれていた感じ。春のよく晴れた日に着てお出かけするのに最適な小気味良いコレクション、といったところでしょうか。

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posted by PFM